そうなると厄介な問題が生じる。彼らの運営する学校では数学も科学も英語も、ほとんど教えないからだ。これでは「第三世界並み」の教育水準だとベンダビドは嘆く。

加えて、超正統派ユダヤ教徒の多くは稼ぎが少なく、所得税を納めていない。それでも国家が支援する宗教研究に人生を捧げれば、あとは福祉給付で食っていけるからだ。結果として、ベンダビドに言わせると今のイスラエルは2つに分断されている。「起業大国」のイスラエルと「現代社会で生きるすべのない人々」のイスラエルだ。

しかも、このギャップは急速に拡大している。一方でパレスチナ人との抗争には終わりが見えず、イラン(と、レバノンやシリアで暗躍するイラン系武装勢力)との闘いも続いている。こんな状態の持続は不可能だとベンダビドは言う。

晴れて米国籍を取得したオハル夫妻も同じ思いだ。夫アミールが言う。「金持ちになりたいとは思わないが、本気で私たちを帰国させたいなら、まずは国のシステムを変えるべきだ」

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