Lucia Mutikani
[ワシントン 23日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が23日に発表した9月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.5%増の406万戸と、2月以来の高水準だった。ただ、経済の先行き不透明感が高まる中、労働市場も停滞しつつあり、住宅ローン金利の低下による販売の押し上げ効果は限定される可能性があるとの見方も出ている。
販売戸数はロイターがまとめたエコノミスト予想と一致。前年同月比では4.1%増加した。NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅ローン金利の低下で販売が押し上げられている。住宅価格が手ごろになっていることも販売増につながっている」と述べた。
オックスフォード・エコノミクスの米国主任エコノミスト、ナンシー・バンデン・ハウテン氏も「住宅ローン金利がさらに低下し、経済と労働市場が安定を取り戻すにつれ、既存住宅販売は今年末から来年初めにかけて横ばいとなり、2026年にかけて改善すると予想している」との見方を示した。
しかし、販売増加は高価格帯の住宅に集中していることから、背景には株高により高所得世帯が多額の資産増の恩恵を受けていることがあるとみられる。エコノミストらは、特に低・中所得世帯にとって住宅購入のハードルは依然として高いと指摘。不透明な経済見通しと、輸入関税を背景にした採用手控えによって、状況はさらに深刻化しているという。
サンタンデールの米国チーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「住宅購入のしやすさは最悪期からは改善したが、過去数年間続いてきた不利な状況に近いままだ」と述べた。
100万ドル以上の住宅販売は前年比20.2%増、75万─100万ドルの住宅販売は14.4%増加した。一方、10万─25万ドルの価格帯の住宅販売は6.0%の増加にとどまった。
また、一部の不動産業者からは、政府機関の一部閉鎖の影響で洪水リスクの高い地域の住宅購入予定者が必要な保険を得られず、契約の成立が遅れているとの指摘も出ている。
中古住宅価格の中央値は前年同月比2.1%上昇の41万5200ドル。地域別では、北東部、南部、西部で増加した一方、中西部では減少した。
中古住宅在庫は前年同月比14.0%増の155万戸。急増したものの、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準はなお下回っている。
9月の販売ペースに基づくと、在庫を消化するのにかかる期間は4.6カ月。前年同月は4.2カ月だった。一般的にこの期間が4─7カ月なら需給は均衡していると見なされる。
販売全体に占める初めての住宅購入者の比率は30%。前年同月は26%だった。エコノミストは健全な住宅市場の維持には40%程度が必要としている。
差し押さえ物件を含む不良債権売却は取引全体の2%と、前年と同水準だった。低所得世帯の一部で自動車ローンの返済が滞っていることから、エコノミストは不良債権売却に注目している。