新車購買意欲をあおるための低金利ローンも大手メーカーには問題になりかねない。景気拡大局面に入って8年、自動車販売は記録的高水準に達し、中価格帯の車は信用度の低い顧客をターゲットにせざるを得ない。昨年の新規自動車ローンのサブプライム比率は急上昇、一部金融機関は融資に慎重だ。テスラの販売にはほとんど影響はないが、GMとフォードの売り上げには大いに響きかねない。

それ以上に、GMとフォードは負の遺産を背負い込んでいる。広告費だ。テスラがマーケティングには費用をかけるが広告には積極的でないのに対し、GMとフォードの15年の広告費はそれぞれ全米第3位と第6位、合わせて62億ドルに達している。

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自動車大手は景気後退を機にスリム化し、経営を改善し、債務管理もうまくなった。だがビジネスモデルやコスト構造を根本的に変えたわけではない。車を大量生産し、稼ぎ頭はガソリンを食うピックアップトラックやSUVで、在庫解消はインセンティブやローンや広告が頼り。これでは経済の伸びが鈍化したりガソリン価格が高騰したりすれば悲惨なことになる。

株式市場は将来性を重視する。将来性のある企業になるための努力が足りないと思われたら、GMやフォードのような大手といえども評価が低くなっても仕方がない。

[2017年4月25日号掲載]