Lucia Mutikani

[ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した2023年12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比21万6000人増と、伸びは市場予想の17万人を上回った。賃金も引き続き底堅いペースで上昇し、米連邦準備理事会(FRB)が3月に利下げを開始するという観測に疑問を投げかける内容となった。

失業率は3.7%で先月から横ばい。

11月の非農業部門雇用者数は前回発表の19万9000人増から17万3000人増に下方改定された。10─11月の増加分は合計7万1000人下方改定された。

LPLファイナンシャル(ノースカロライナ州シャーロット)のチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「今回の雇用統計はFRBが3月に利下げを行う可能性を低下させた。市場が期待するほどFRBは早期に利下げを開始しないというわれわれの見方を裏付けた」と述べた。

年間の雇用者数は270万人増と伸びは22年の480万人増から大幅に減少した。

業種別では政府部門が5万2000人増。州・地方自治体が教職員の雇用水準をパンデミック(世界的大流行)前まで戻そうとしていることが背景。

政府部門の雇用は23年の月平均で5万6000人増と22年の同2万3000人増から倍加した。

ヘルスケア部門は3万8000人増、建設部門は1万7000人増だった。

レジャー・接客は4万人増。ただ同部門の雇用はパンデミック前の20年2月の水準を16万3000人下回っている。小売は1万7000人増だったが、運輸・倉庫は2万3000人減となった。

時間当たり平均賃金は前月比0.4%上昇し、伸びは前月と並んだ。前年同月比は4.1%上昇し、伸びは前月の4.0%から加速した。

賃金の伸びはパンデミック前の平均を大きく上回り、多くの政策立案者がFRBのインフレ目標2%と整合的と見る3─3.5%の範囲を超えている。

家計調査に基づく雇用者数は68万3000人減。約67万6000人が労働市場から退出した。家計調査に基づく雇用者数は非常に不安定になる傾向がある。労働参加率は62.8%から62.5%に低下した。これは2月以来の低水準となる。

経済的理由によるパートタイム労働者数は21万7000人増加した。より広範な失業率指標(働きたいが求職をあきらめた人やフルタイム雇用が見つからずパートタイムで働いている人を含む)は7.1%に上昇した。11月は7.0%だった。

ロヨラ・メリーマウント大学のソン・ソンウォン教授(金融・経済学)は「労働市場は人々が思うほど逼迫していない」と指摘。FRBが年前半に少なくとも2─3回は利下げを行うとの予想を示した。

FHNフィナンシャルのチーフエコノミスト、クリス・ロー氏は「これらの変化は注目に値するほど大きいが、方向性が同じであるためそれほど懸念するものではなく、大幅減の原因となる季節調整の問題かもしれない。今後数カ月は家計調査に基づく雇用を注視することになるだろう」と述べた。

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