[シンガポール 27日 ロイター] - 中国では再生可能エネルギー部門が急成長しているが、石炭火力発電能力の拡大やエネルギー消費の急増が気候変動目標への取り組みに水を差しているとの報告書が27日、発表された。
中国のエネルギー当局によると、10月の太陽光発電の総設備容量は前年比47%増の536ギガワット(GW)、風力発電容量は15.6%増の404GWだった。
エネルギー・クリーン・エア研究センター(CREA)とハインリッヒ・ベル財団(HBF)は中国の気候変動対策に関する年次報告書で、再生可能エネルギーが今年の拡大ペースを維持すれば、今後数年間で中国の温室効果ガス排出量はピークに達して減少し始める可能性があるとの見解を示した。
しかし、増加するエネルギー消費に対応するために、エネルギー効率や成長モデル転換への取り組みを強化する必要があると指摘し、中国の取り組みは「気候変動との世界的な戦いでおそらく唯一最重要の要因」とした。
今年の中国の二酸化炭素(CO2)排出量は、水力発電の出力低下やコロナ禍後の経済回復の影響で世界最多となる見通し。
不動産市況低迷はセメントや鉄鋼の生産抑制を通じてCO2排出量を低減させるが、クリーンエネルギーや電気自動車(EV)生産の急拡大によるエネルギー・材料需要で相殺されると指摘した。
中国当局は22年以降、石炭火力発電所の新設を承認しており、総発電容量は30年までに23%増加する見込み。
「発電容量を拡大させながら排出量を減少させることは十分に可能だが、石炭火力発電所の新設は経済的にも政治的にも排出量ピークアウトに一段と課題となる」との見方を示した。