(3)本気だけど、ちょっと待って

EU離脱派は以前からリスボン条約第50条が定める2年間という期限に懐疑的で、英国を移民受け入れなどのEU規則から免責する包括的な協定を結んだ「後に」50条を発動すべきだと公言する者もいる。これほど包括的な協定締結には5年以上を要するのが世界基準で、英国はその間EUに留まり続ける。

 EU首脳らにとって、これは悪夢のシナリオだ。終わりのない交渉が始まり、EU全域のEU懐疑派勢力が英国を真似しようとするだろう。

 EU側は、英国が50条の定める日程に自らを拘束するまで交渉には入らないと表明している。良いとこ取りは許さないという姿勢だ。

 そうなると理論上、こう着状態が延々と続くかもしれない。英国は駄々っ子のように食卓の雰囲気をぶち壊し、そうした中で来年はフランスとドイツで選挙が実施され、EUは7年間の新たな予算協議に入る。

 どこかで妥協が必要になり、歩み寄りに向けた動きが始まる。

(妥協はEUのお家芸。このシナリオは排除できない)

(4)本気だった、けど間違ったかな

EU当局者らは、一度50条を発動すれば、出戻りは許されないと主張する。しかし、そこは完全に明確ではない。将来の英国政府が、「離婚手続きに入ってはみたものの、皆が賛同してくれるなら婚姻状態を続けるのが最良だという結論に達した」と言うこともあり得るだろうか。

(シナリオ2を参照。ただし過去のことは忘れよう)

(5)ちょっと手を加えたい

 一部離脱派は国民投票での勝利について、英国がEU内にとどまりながらやや距離を置くための、再交渉のテコに過ぎないとの考えを示唆している。そして再び国民投票を実施する可能性があるという。EU指導者らは、「良いとこ取りは許さない」という立場からこの可能性を排除してきた。キャメロン首相は今年、金融規制や移民政策についてEUから譲歩を引き出したが、国民投票結果によってこれは白紙に戻った。従って再交渉は一段低いところから始まることになる。しかし英国を「準加盟国」や「特別パートナーシップ」にするといった案は、以前から欧州で浮上している。

(シナリオ4を参照。しかし妥協の地、欧州においてはいかなる可能性も排除できない)

スコットランドがEUに加盟することはあり得る