[北京 10日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が10日発表した10月の人民元建て新規銀行融資は6152億元(848億6000万ドル)と、前月から急激に減少し、市場予想も下回った。新型コロナウイルスの流行や不動産セクターの低迷が借り入れ需要を冷やした。
ロイターがまとめた市場予想は8000億元。前月は2兆4700億元、前年同月は8262億元だった。
マネーサプライM2は前年同月比11.8%増。市場予想は12.0%増、前月は12.1%増だった。
人民元建て融資残高は前年同月比11.1%増。前月は11.2%増、市場予想は11.2%増だった。
中国経済は第3・四半期に予想以上の回復を見せたが、新型コロナの感染再拡大を受けたロックダウンが製造業の生産や消費活動に打撃を与え、成長の見通しが悪化。債務問題を抱える不動産業界は住宅販売の減少に苦しむ。
人民銀行は成長支援へ緩和的な政策を維持する方針を示しているが、資本流出と人民元安への懸念から政策余地は限られている。
9月は6503億元だった家計向け融資は10月に180億元減少。企業向け融資は1兆9200億元から4622億元に減少した。
通常の銀行融資に加え、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む広義の与信・流動性を示す社会融資総量残高は前年比10.3%増で、前月(10.6%増)から伸びが鈍化した。
財政省によると、地方政府の9月の特別債発行はネットで241億元。8月の516億元から減少した。
政府債の発行減速は社会融資総量を圧迫し得る。10月の社会融資総量は9079億元で前月(3兆5300億元)から急減。アナリストの予想(1兆6000億元)を下回った。
キャピタル・エコノミクスは、「予想を大幅に下回る与信の伸び、極めて異例な家計向け融資の減少は、ゼロコロナ政策が経済活動を押さえつける中、成長をテコ入れする難しさを改めて鮮明にした」と指摘した。
招商銀行のアナリストは、10月の共産党大会を前に人民銀行が9月に銀行に融資拡大を始動していたため、10月の新規融資減速は想定の範囲内と述べた。
中国民生銀行のチーフエコノミストは、「生産や消費がコロナの影響を繰り返し受ける中、市場参加者の期待は弱いままだ。内需は依然弱く、外需の減少が加速している。実体経済をより強力に支援するためには景気変動抑制型政策をさらに強化し効果的にする必要がある」と述べた。