アフリカの島国マダガスカルの軍精鋭部隊CAPSATのミシェル・ランドリアニリナ大佐は14日に国営ラジオで「われわれは権力を掌握した」と宣言し、国外逃亡したアンドリー・ラジョエリナ大統領(51)が失脚し、軍が国家権力を握ったことを発表した。その上で、軍が国民議会下院を除く全ての国家機関の機能を停止すると表明した。

ラジョエリナ氏は、Z世代(1990年代後半―2000年代前半生まれ)が主導した反政府デモが激化し、軍からの離反が広がる中でも退陣を拒否していた。

ランドリアニリナ氏は記者団に対し、軍が主導する委員会が最大2年間にわたって暫定政府とともに国を統治すると説明。声明では機能を停止する国家機関として「(国民議会)上院、高等憲法裁判所、独立国家選挙委員会、高等裁判所、人権・法統治防衛高等評議会」を挙げた。

ラジョエリナ氏が下院の解散を企てたのに対し、下院議員らはラジョエリナ氏の弾劾決議採決を強行した。これによって憲法上の膠着状態が生じ、軍部が政権掌握を宣言した。

ラジョエリナ氏が2009年に権力を掌握した際にはCAPSATが主導的役割を果たした。だが、ランドリアニリナ氏は先週、ラジョエリナ氏との決別を表明していた。

ラジョエリナ氏は13日夜の国民向けの演説で、自身の生命が脅威にさらされたため安全な場所へ避難せざるを得なかったと表明。野党関係者は軍関係者、外国の外交官はロイターに対し、ラジョエリナ氏がフランスの軍用機で国外へ逃亡したと明らかにした。

マダガスカルでは停電や断水に反発するデモが9月25日に発生し、政府の腐敗や悪政、国民への基本的なサービスの欠如といったより広範な不満を背景に反政府デモへ発展した。

14日には首都アンタナナリボのヤシの木とフランス植民地時代の建物が並ぶ大通り沿いの「5月13日」広場で、数千人が踊り、行進し、歌い、横断幕を掲げてラジョエリナ氏への批判を繰り広げた。ラジョエリナ氏が旧宗主国のフランスとの二重国籍であり、フランスからの支援を受けて国外逃亡したのを受けてフランスの傀儡(かいらい)だと非難した。

参加者の多くはマダガスカル国旗と、日本のアニメ「ワンピース」のキャラクターを掲げていた。

マダガスカルには約3000万人の人口がおり、国民の年齢の中央値は20歳未満。国民の約4分の3が貧困状態にあり、世界銀行の統計によると、2020年の1人当たりの国内総生産(GDP)はフランスから独立した1960年と比べて45%も減った。



[ロイター]
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