警官や消防士にも「体を引き上げて乗り越える」技術が欠かせない。障害物を乗り越える。これこそ、本質的な意味でのサバイバルスキルだ。バーベルカールやベンチプレスをどれだけやっても、生き残る術は学べない。

身体開発システムが始まって以来、マッスルアップはカリキュラムの中でも重要な位置を占めてきた。それは、古代ギリシャ人やローマ人にとっても、ジョルジュ・エベルやフランシスコ・アモロスといった初期の体育教育システムの開拓者たちにとっても同じだった。

 

もちろん、ボディビルディングが王座に就いたことで、マッスルアップも滅ぶ運命を免れなかった。そして、腕を使って何ができるかではなく、腕周りのサイズばかりが男たちの関心事になってしまった(その罠に落ちないようにしてほしい)。

マッスルアップは機能的な体をつくる。なぜか?

パワーとスピードを授けてくれるからだ。また、筋力をつくり、体全体のコンディションを整えるという意味でもユニークなエクササイズになる。

筋力という意味では、まず、バーの上に向かうための瞬発的な「プル」が必要になる。その直後に、バーを乗り越えるための瞬発的な「プッシュ」が必要になる。プルが背中と上腕二頭筋を鍛え、プッシュが胸と上腕三頭筋と肩を鍛える。

つまりは上半身全体に大きな負荷がかかる。バーをずっと握っているのでグリップも強くなる。キッピングするために、鋼鉄製の腹筋と運動能力に優れた後部チェーンが求められるし、体をバーに近づけるために股関節を押す力も必要になる。

そこに、筋肉の協働力、タイミング、全身の腱の強さが加わらなければマッスルアップは完成しない。

圧縮された時間内で瞬発力を生成する秘訣
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