米テキサス州ダラスにある自宅オフィスで、日本の右寄りな見方を支持する動画をソーシャルメディア向けに制作する男性、トニー・マラーノ氏(66)は自国ではほぼ無名な存在だが、日本では「テキサス親父」としてタカ派の間で名をはせている。

 定年退職したマラーノ氏の著作やTシャツ、講演ツアーなど、ちょっとしたビジネスが生まれるほどだ。一部の動画は30万回以上も視聴されている。一方で、同氏が日本の国家主義者たちの代弁者となっていると批判する声も聞かれる。

 「私はただ自分の意見を言っているだけ。(批判する人たちは)なぜ恐れているのか。どんな危害も与えるつもりはない」と、ニューヨーク市のブルックリンなまりでマラーノ氏は語る。

 マラーノ氏は日本の右派から受け入れられている数少ない欧米人の一人だが、そのおどけた態度と毒舌は同氏を際立たせている。

 同氏が日本で注目を集めるようになったのは約7年前、日本に対して攻撃的な反捕鯨活動を行っていた「シー・シェパード」を批判し始めたときだった。

 テキサスから投稿した動画は遠く日本まで届き、マラーノ氏のファンは増えていった。同氏も日本について興味をそそられるようになり、研究を深め、動画を増やしていった。一段と注目が集まるようになるにつれ、同氏の悪名も広がった。

 その後、出版の話が持ち上がり、数年のうちに支持者らがテキサス親父の日本事務局を立ち上げるまでになった。同事務局によると、マラーノ氏は日本語でこれまでに7冊の本を出版し、今年さらに3冊出る予定だという。

1年で80本以上の動画配信

 かつては電話会社に勤め、人生の約半分をテキサスで過ごしているというマラーノ氏は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で「PropagandaBuster」というチャンネルを持っている。同氏はほとんど日本語を話さない。

 マラーノ氏は、自身のミッションについて、米国と韓国と日本の軍事同盟を強化すること、そして権力者に真実を語ることだとしている。

 同氏は過去1年間で80本以上の動画を発表。動画には日本の視聴者のために日本語字幕がついているが、これは事務局が提供している。同事務局には、翻訳者7人と編集者3人がいる。