<監督本人が政治性を否定。「スーパーウォーク(Superwoke)」批判に、パレスチナ視点からは「白人の救世主」との声も。それでも今作が「正義」である理由──(レビュー)>

ジェームズ・ガン監督(James Gunn)による新作映画『スーパーマン(Superman)』の試写を見終えた観客の多くは、ポップコーンやスーパーヒーローのノスタルジーだけでなく、ある強烈な感覚を抱えて劇場を後にした──。

それは、まるでイスラエル・パレスチナ紛争の寓話を見せられたかのような感覚だった。

『スーパーマン』予告編

そしてそのこと自体が、重要な意味を持っている。

一部の親イスラエル系論者から激しい批判やボイコットの呼びかけがあったにもかかわらず、『スーパーマン』は世界中で大ヒットを記録し、公開初週末だけで2億2000万ドル以上を稼ぎ出した。

ガンは繰り返し、「『スーパーマン』は中東を描いた作品ではない」と主張している。

「脚本を書いた当時、中東の紛争は起きていなかった」と英タイムズ紙に語り、ボラヴィアとジャルハンプールの架空戦争は、2023年10月7日のハマス主導の攻撃や、それに続くイスラエルによるガザ攻撃の前に構想されたものだと説明している。

現実の戦争が始まった後は、中東を想起させる描写を避けるよう努めたとも述べている。

だが、そうした否定にもかかわらず、寓話としての受け止め方はすでに広まりつつある。

単なる「リベラル脳」ではない
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