責任が存在しない世界

ヘグセスは今後、越権行為などの理由をこじつけてコルビーを解任するだろうか。それは考えにくい。ヘグセスは彼の頭脳を信頼している。では、ヘグセスが政権を去ることになるのか。国防長官が勝手にやったことであれば、本来は更迭されるべきだ。

しかし、それもありそうにない。少なくとも、家族との時間を大切にしたいなどもっともらしい理由を出して、時間を置いて辞任となるだろう。ヘグセスを一方的に更迭することは失敗を認めることであり、トランプは失敗を認めない。

トランプの世界では誰も責任を問われない。それは周知の事実だ。だが今回、私たちはその深刻さを改めて思い知らされた。

誰も責任を取らないだけではない。意思決定がどのように下されたのかも、そもそも決断が存在したのかさえ、誰にも分からないのだ。物事は無秩序に転がり出ているだけなのかもしれない。

トランプの側近も、議会の支持者も、同盟国の指導者たちも、誰もが全ては正常であるかのように振る舞っている。アメリカ大統領は世界で最も強大な力を持つ存在だからだ。

サイン1つで経済を破壊し、ボタン1つで地球を破壊することができる。だから誰もがトランプを敬い、世界のあらゆる良いことは彼のおかげだと感謝して、機嫌を損ねないように努めている。

プーチンもゼレンスキーも学んだ「ご機嫌取り」
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