大切なのは、どうやって相手に気持ちよく、同じ景色を見てもらえるか。本書には、エンゲージメントやイノベーションといった身近なテーマを織り交ぜながら、ネガティブ・ケイパビリティの世界観について、組織内の対話を促す工夫を詰め込みました。

「第2領域」の空白は、組織の危険信号

──本書で紹介したフレームワークの中で、特に読者に伝えたいものはありますか。

一番は、シンプルですが「重要度×緊急度マトリックス」です。多くの人や組織が、何でも脊髄反射のように第1領域、つまり「重要かつ緊急の課題」として処理しがちなんです。しかし、じっくり寝かせた方がよい問題もあるし、脊髄反射的な対応で逆に疲弊することもある。戦略的に「放置」する判断も時には必要になります。

そのうえで、特に大事なのが第2領域、つまり「重要だが緊急ではない課題」。この第2領域が空白の状態は、組織の危険信号です。人材育成や業務改善など、放置すると後で第1領域に化けて手をつけられない状況になります。ポジティブ・ケイパビリティとネガティブ・ケイパビリティ、両方を使い分けながら長期的に価値を育てていくことが、持続可能な経営につながります。

「越境と共創で価値創造する社会に」
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