それでも、警戒を促す声は絶えない。「アルゼンチン経済はまだ安定していない。ミレイ政権の初期の改革で、賃金、年金、インフラ投資、州予算が大きく落ち込んだ」と、経済学者のグイド・アゴスティネッリは本誌に語った。「インフレは減速したが、それは中間層から富裕層への資源の再配分という代償を伴い、格差を拡大させた」

アルゼンチンのインフレ率は2023年12月に25.5%のピークを付けた後、月ごとに鈍化しているが、その減速は見かけほど健全ではない、とアゴスティネッリは警鐘を鳴らす。

「コストが下がったわけではなく、需要が崩壊したから物価上昇圧力が和らいでいる面が大きい。需要が弱いから、原材料価格が上がってもそれほど物価が上がらないだけだ」と、彼は本誌に語った。

「ペソはIMFからの融資や新たな借り入れで人為的に強く保たれているが、外貨準備は実質的にマイナスのままで、選挙後には再び通貨調整を迫られる可能性がある」

ミレイ政権による財政再建と金融引き締めは、大きな社会的代償を伴っている。貧困率は2023年12月の53%というピークからは下がったものの、人口の38%が今も貧困状態にある。2025年4月にはブエノスアイレスでゼネストが発生し、労働組合が政府支出削減に抗議して街を麻痺させた。

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