2000年代初頭には、研究者の間で「ヘルムホルツの錯視が起きるのは平面に限られるのでは?」という疑問の声が上がった。立体に縦線を描くと奥行きが生まれる。この奥行きが錯視を打ち消し、人の体を細く見せるのではないかと彼らは考えた。

これを検証するため、英ヨーク大学の心理学者2人が2011年に実験を実施。横縞の服を着たマネキンと縦縞の服を着たマネキンを用意し、参加者にどちらのほうが幅広に見えるか尋ねた。

結果、幅広に見えたのは縦縞のマネキンだった。横縞のマネキンは、体の幅を10.7%も広げて初めて、縦縞のマネキンと同じ体形に見えた。

「横縞を着ると太って見えるという俗説を裏付ける証拠は何もない」と、研究者は結論付けた。「あらゆる証拠が逆の方向を示している」

ただし、錯視の効果には個人差がある。京都大学の研究チームは2013年、体が細い人ほどヘルムホルツの錯視効果が強く現れることを突き止めた。体格が大きい人では横縞の着痩せ効果が消えたり、逆に太って見えたりしたという。

「思い込み」も結果を左右
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