<軍部切り崩し>

イスラエルがイランの核施設を解体するには、まだ長い道のりがある。イスラエルのハネグビ国家安全保障顧問は「軍事的手段で核開発計画を阻止する方法はない」と国内テレビに語った。

諜報機関モサドの元主任アナリストで、イスラエル国家安全保障研究所の研究者シマ・シャイン氏も「イスラエルはおそらく、米国抜きでイランの核開発計画を止めることはできない」とみる。

イランの核開発計画を後退させることはイスラエルにとって価値がある。ただ今回の攻撃で多くの軍幹部を標的としたのは、安全保障の指導部を混乱させ、体制崩壊への道筋をつけるという意図があったとも考えられる。

シャイン氏は、標的となったイラン軍上層部は経験、実績、知識が豊富で、体制の安定、特に体制の安全保障にとって欠かせないとし、「理想的には、イスラエルは政権交代を望んでいることは間違いない」と述べた。

しかし、そのような変化にはリスクが伴うとジョナサン・パニコフ元米国家情報副長官(中東担当)は指摘する。イスラエルがイランの指導者を排除することに成功したとしても、後継者がイスラエルとの対立をさらに強硬に追求する可能性は排除できない。

「何年もの間、イスラエルの多くの人々は、イランでレジーム・チェンジが起きれば、新たな良い日がやってくると主張してきた。しかし歴史は常に事態は悪くなり得ると教えている」と述べた。

[ロイター]
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