イスラエルによるイランへの奇襲攻撃には、イラン政府の核開発計画を著しく妨害し、核兵器開発に必要な時間を引き延ばすという明白な目的がある。しかし、攻撃の規模や標的の選択、ネタニヤフ首相の発言からは、イランの現体制を打倒する「レジーム・チェンジ」が長期的目標であることがうかがえる。

13日未明の攻撃は、イランの核施設やミサイル工場、軍事指揮系統の要人や核科学者を標的とした。「イスラエルの目的の一つはレジーム・チェンジだ」とブッシュ(子)政権で高官だったワシントン近東政策研究所のマイケル・シン氏は語る。

「イスラエルは、イランの人々が立ち上がるのを見たいのだろう」と述べ、民間人の犠牲を最小限に抑えたことも、そのためだと指摘した。

イスラエルのネタニヤフ首相は攻撃開始直後のビデオ演説で、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラに対するイスラエルの行動がレバノン新政権樹立とシリアのアサド政権の崩壊につながったと主張。イラン国民に向けて「私は、あなた方の解放の日は近いと信じている。そうなれば、われわれの古くからの偉大な友情が再び花開くだろう」と語った。

しかし、今回の攻撃で前例のない被害を受けたとはいえ、治安部隊に支えられたイラン指導部を退陣させるだけの支持をイラン国民から得られるかは疑問だ。シーア派が大半の国民の間でも反イスラエル感情が根強い。

シン氏は、イランで反体制派が結集するためにどのような条件が必要かは誰にも分からないと警告した。

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「米国抜きでイランの核開発計画を止めることはできない」