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ケーススタディー④ ジェシカ・ターリー(33、イギリス)のケース JESS TURLEY(※写真をクリックすると彼女の事情が読めます)

では、独身者が増え続けた場合の社会的影響はどうか。バウズマンによれば労働市場と医療、社会福祉制度には「深刻な影響」が出そうだ。独身者増で少子化に歯止めがかからず高齢化が進めば、現役世代が年金受給者を支えられなくなる。

「他の社会支援の分野にも影響が及ぶ。晩婚化と少子化により、家族を支える人間関係が薄まり、社会的孤立の増加につながる恐れもある」とバウズマンは指摘する。

さらに「出産の高年齢化や出生率の低下は家族の小規模化を招き、世代間の支え合いを弱め、子供の世話や介護に対する従来の考え方の見直しを促す可能性がある」とも言う。

ピュー・リサーチセンター上席研究員のリチャード・フライは、こうした傾向が住宅市場に大きな影響を与える可能性もあると指摘。独身者が増えれば住宅需要は増えるが、求められる住宅のタイプが変わる。「独身者は概して収入も財産も少ないため、配偶者や共同生活者のいる世帯が購入するような住宅設備を購入する余裕はない」からだ。

出生率の低下を止める秘策はあるのか。今のところ、社会学者や経済学者の間でも意見は分かれている。

巨額投資より価値観の転換を
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