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「充実した人生」とは何かを自分なりに捉え直している若者たちにとって、結婚して家庭を持つことが「既定の路線」ではなくなってきた SOLSTOCK/GETTY IMAGES

バーブルッゲンによると、この文化的な変化は選択肢の拡大が招いた結果だ。70年代後半から90年代に生まれたミレニアル世代や90年代半ば以降に生まれたZ世代は、あらかじめ定められた道ではなく、自分で選んだ道を歩むことを好む傾向にある。出生率の低下はいわゆる「恋愛不況」の一症状で、その結果が独身者の激増ということになる。

なぜ独身のままでいるのか。その主な理由の1つは、今は「おひとりさま」が魅力的に見えるという事実だ。独身ならいつまでも若くて気楽に生きられると信じ、結婚や子育てのためにそれを手放す理由はないと考える人が増えた。だから「初婚年齢は上がる。しかも今の文化は独身生活を美化しているから、ずっと独身でいても変な目で見られない」とバーブルッゲンは指摘する。

ミレニアル世代はテレビドラマを通じて、独身なら今の世界で自由を謳歌できるという夢を見た。女性は『セックス・アンド・ザ・シティ』の主人公キャリーのように自立した人物に憧れ、男性は『フレンズ』で身持ちの堅いロスよりも女好きの遊び人ジョーイに共感した。

昔の女性は収入と安定を男性に依存していたから、結婚は一種の保険だった。しかし今どきの女性は自ら道を切り開き、自立している。

技術の発展が若者をリアルな世界から遠ざける?
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