<全土に展開していた爆撃機を破壊──。古くて新しい奇襲作戦で、戦争の流れは変わるのか。だがそれはロシアによる報復とエスカレーションのリスクを伴う危うい賭けでもある>

6月1日夜、ウクライナはロシア領内の奥深くで大胆なドローン(無人機)作戦を実行した。ウクライナの発表によると、この「クモの巣」作戦でロシア軍の戦略爆撃機41機が被弾し、少なくとも13機が完全に破壊された。

注目すべきなのは、核搭載可能な最新鋭のTu160爆撃機をあえて標的とせず、ウクライナの都市に対する通常型巡航ミサイル攻撃で広く使われているTu95とTu22Mを優先的に狙ったことだ。

ウクライナは自爆攻撃を仕掛けるカミカゼ型のFPVドローン(操縦士が飛行中の映像を見ながら遠隔操作するドローン)117機を投入。

北極圏の不凍港ムルマンスクや、ウクライナ国境から約8000キロ東のアムール地方など、複数のタイムゾーンをまたいでロシア領内の空軍基地を同時に攻撃したとされる。

作戦は1年半をかけて準備された。ドローンはロシア国内にひそかに運び込まれ、木製コンテナに隠してトラックに積まれた。トラックの荷台の屋根は遠隔操作で開閉できるようになっていた。

ウクライナの工作員は積み荷が何かを教えずにロシア国内で運転手を手配し、標的となる空軍基地の近くまで運ばせた。ロシア人の運転手もいたという。

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