そんな強い思慕の念を持つキャラクターのどこがいいのかと思う人もいるかもしれない。男にしては軟弱ではないかと。

旧来のジェンダー観からはそう見えるかもしれない。だが、私(異性愛者の女性だ)はここで断言したい。私自身を含め、私の世代の女性は男性のこの手の強い思慕が大好物なのだ。

グァダニーノが描く男性キャラクターは愛されること、愛することを激しく求める。そうした点が私たちには、映画の男性キャラクターにありがちな男っぽさよりもずっと魅力的に映る。

グァダニーノは同性愛者の男性の視線を意識して物語を紡ぎつつも、どういうわけか女性のニーズにも応えているようだ。

グァダニーノは、これまでとはひと味違う、でも私たちのニーズに合った魅力的な男性像を提示してきた。かわいくてひょろっとしていて、攻撃的でなく、ひたすら相手を思う人物──これぞ、本当に女性受けする男性のイメージなのだ。

これが男の世界だというなら、グァダニーノ流の男の世界、最高ではないか。

©2025 The Slate Group

Queer

クィア/QUEER

監督/ルカ・グァダニーノ

主演/ダニエル・クレイグ、ドリュー・スターキー

日本公開中

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