韓国との関係は断絶状態だ。北朝鮮に融和的だった文在寅(ムン・ジェイン)政権を「裏切り者」と呼び、対北強攻策を進めた尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は相手にしなかった。その挙げ句の「敵国」宣言だ。経済交流どころか、南北対話さえ長い間行われていない。
地政学的な変化も重なった。ウクライナ戦争中のロシアは北朝鮮に支援を求めた。「朝ロ戦略的パートナーシップ条約」を24年に締結し、北朝鮮は武器支援、さらには自軍兵士の派遣まで行っている。
「血の同盟」である中国とは不和説も流れるが、経済支援は止まっていない。「緩衝地帯」としての地政学的価値が現在も変わらないためだ。現在の北朝鮮は「安保は核で、経済は自力更生と自給自足で、外交はロシア・中国中心で」が前提。国防5カ年計画の成果、そして26年の開催が予想される朝鮮労働党第9回大会で、新たな国家方針・戦略が示されるだろう。
変数はトランプだ。現在、北朝鮮はアメリカを無視しているが、魅力的な提案があれば身を乗り出すだろう。核保有国容認と言わずとも、米韓軍事演習の縮小・中止、在韓米軍の削減などだ。6月の次期韓国大統領選の結果も注視しなければならないが。
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