「神は死んだ」とはどういうことか
さて、全体をまとめるとこうなります。人間は、よりパワーアップしたいという「力への意志」をもっている。だから、すべては「力への意志」の解釈だから、真実は存在しない(ニヒリズム)。イデアや神は、弱者が強者に勝つために捏造したものだから存在しない。となると、最高の価値としての「神」はない。だから「神は死んだ」......。
というわけで、ニーチェによると、人類は最高の目的である神を失ってしまったので、「なんのために?」という生きる目的も失っている状態です。このあと、ニーチェはニヒリズムと対峙して、これを克服しようとしていきました(超人、永遠回帰など)。
富増章成(とます・あきなり)
河合塾やその他大手予備校で「日本史」「倫理」「現代社会」などを担当。中央大学文学部哲学科卒業後、上智大学神学部に学ぶ。歴史をはじめ、哲学や宗教などのわかりにくい部分を読者の実感に寄り添った、身近な視点で解きほぐすことで定評がある。
著書に『超訳 哲学者図鑑』(かんき出版)、『読破できない難解な本がわかる本』(ダイヤモンド社)、『図解でわかる! ニーチェの考え方』『図解 世界一わかりやすい キリスト教』『誰でも簡単に幸せを感じる方法はアランの「幸福論」に書いてあった』(以上、KADOKAWA)、『日本史《伝説》になった100人』(王様文庫/三笠書房)、『オッサンになる人、ならない人』(PHP研究所)、『哲学の小径―世界は謎に満ちている! 』(講談社)、『空想哲学読本』(宝島社文庫)など多数。
