ダークホースはこの人物

「歴史を振り返れば、コンクラーベで票が割れた場合は最終的に中間派の候補が選ばれるケースが多い」と指摘するのは教会史家のウォーンバーグだ。

今回の場合で言えば、例えば「慎重派で博学なハンガリーのペテル・エルドー枢機卿や、現実主義者でスウェーデン人のアンデルス・アルボレリウス枢機卿がいる」

さらに、この数カ月で急浮上してきた中間派の枢機卿がいる。エルサレムのラテン典礼総大司教を務めるピエルバッティスタ・ピッツァバッラだ。イタリア人だが、キャリアの大半をイスラエルで過ごしてきたから、バチカン内部の派閥争いにはほぼ無縁だ。

教会内の主要な争点に関しては、まだ手の内を見せていない。そしてリベラル派にも保守派にも敵をつくらない。例えば地球環境の保護を前面に打ち出した故フランシスコの回勅「ラウダート・シ」を支持する一方、保守派がこだわるラテン語によるミサにも理解を示している。

60歳という若さにもかかわらず、政治経験は豊富だ。14年にはフランシスコの招聘の下、バチカンでイスラエルのシモン・ペレス大統領(当時)とパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長が共に「平和の祈り」をささげる画期的な会談を演出した。

パレスチナ自治区ガザで続く戦争に関しても、イスラム組織ハマスによる越境攻撃がイスラエルの人々に与えた恐怖に共感する一方、長年にわたるパレスチナ人の痛みにも理解を示している。

カナダ人枢機卿にもチャンスが
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