韓国民主主義の正念場

6月3日に李が勝てば、韓国史上2度目となる現職大統領の弾劾・罷免・政権交代というドラマチックな展開が完結する(1度目は17年。保守の朴槿恵〔パク・クネ〕が罷免され、革新系の文在寅が新大統領となった時だ)。

もちろん、尹の政治生命は完全に断たれる。これが本物の政治改革への道につながればいいが、李が調子に乗って暴走すれば、その道はさらなる政治的報復の悪しきサイクルに通じるかもしれない。

この国にとっては正念場だ。新大統領の下で、より政治的に安定した国へと歩み始めるか。それとも保革の極端な両極化と対決が韓国の「新常態」となってしまうのか。現状を見る限り、後者の可能性が高いと筆者には思える。

今の政治に対する国民の強烈な不満を追い風とし、かつ自身の抱える一連の訴訟をうまく乗り切れば、韓国社会の分断をこれ以上に深めずに前へ進める。李はそう読んでいるのだろう。しかし、その読みが当たる保証はない。

次期大統領の政権運営には、政治家・李在明の政治生命以上のものが懸かっている。この先の韓国における民主主義の、そして社会の未来だ。

From thediplomat.com

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