<トランプの関税、暴言、侮辱が、カナダでの親トランプ政権誕生の芽を摘んでしまった>

取引の達人を自称する男も、どうやら人の心を読むのは苦手らしい。そのせいで、米大統領ドナルド・トランプはせっかく自分の味方になりかけていた隣国カナダの人々を怒らせてしまった。

年初来のカナダ政界の動きを振り返ってみよう。1月6日には、以前からトランプと犬猿の仲だったジャスティン・トルドー首相(当時)が辞意を表明した。ただでさえ少数与党の自由党は内輪もめで崩壊寸前、高インフレや住宅価格の高騰を招いた責任を問われ、支持率は過去最低レベルに落ち込んでいた。

政治に愛想を尽かして辞めていく有力議員もいた。それで最後にはかつてカナダ銀行(中央銀行)の総裁を務めたマーク・カーニーが残り、3月9日に自由党の新党首に選ばれたが、誰も彼には期待していなかった。貧乏くじを引いただけの男。まあ、そう見なされていた。

一方、最大野党で中道右派の保守党は勢いづいていた。率いるのは、トランプによく似たポピュリストのピエール・ポワリエーブル。新型コロナウイルス感染症の蔓延時にはワクチン接種に反対し、トランプの「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)」に倣って「カナダ・ファースト」を唱えていた男だ。

スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
PR
トランプの暴言がカナダのナショナリズムを刺激
【関連記事】