介入には大きすぎる代償が

20世紀後半の民主化運動に政治的ルーツを持つ韓国のリベラル派は、アメリカの影響力に対してより独立した立場を取り、北朝鮮に対してはより穏健で中国との戦略的協力にもオープンだとされる。

李は自身が継承したこの外交的価値観を尊重しつつも、自らをトランプにより近い現実主義者と位置付け、韓国はイデオロギーや派閥を超えて実利的な外交政策を進める時期に来たと主張する。

こうした動きを阻止したい国民の力はトランプに「救済」を求めているが、当のトランプはこの問題に関心がなさそうだ。「みんな私が混乱を引き起こしていると言うが、韓国を見るといい」と、トランプは軽口をたたいた。

尹との会談については「(野党が)弾劾をやめるなら」応じてもいいと語ったが、韓国の混乱に介入する意思は示さず、大統領就任式に出席するために渡米した韓国の保守派議員らを落胆させた。

韓国国内の対立に首を突っ込めば、地政学的に回復不能な代償を払うことになりかねない。トランプは外交において、価値観や同盟を無視した「原則に根差した現実主義」に基づき、アメリカの利益を擁護すると公言している。

韓国の政治危機も「取引」という視点から考え、韓国をアメリカ主導の北東アジア同盟の要として維持することに重点を置いている可能性が高い。

亜州大学の金は「トランプは尹の味方をすることにより混乱と対立を助長して韓国を大幅に弱体化させ、代わりに勢いを得た中国やロシア、北朝鮮が北東アジアを支配するような状況を生み出したくないだろう」と指摘する。

政治的な正統性を持つ新政権が誕生するまで
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