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サウジは対外関係を多様化させている。アメリカが仲介したアブラハム合意の署名式(20年9月) AP/AFLO

楽観論と悲観論のはざまで

パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが、23年10月7日にイスラエルに奇襲を仕掛けたことに起因する戦争は、従来のアメリカの中東政策を根底から揺さぶっている。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ガザで執拗なまでにハマス掃討作戦を続けている。しかし連立政権の一角を担う極右勢力は、ガザと並ぶパレスチナ自治区であるヨルダン川西岸の併合も要求している。

つまりネタニヤフはパレスチナに国家の地位を与えるどころか、パレスチナ自治区をなきものにする圧力にさらされている。

これについてサウジは02年、ヨルダン川西岸にパレスチナ国家が樹立されることを条件に、アラブ諸国がイスラエルとの関係を正常化する「アラブ和平イニシアチブ」を提唱。今もこれを中東和平の基本方針としている(イスラエルは同イニシアチブを拒絶している)。

第2次トランプ政権がこの問題にどう対処するかは、まだ分からない。ただしアンサリによると、サウジでは「楽観論と悲観論の両方が聞かれる」という。

「楽観論の根拠は、トランプが第1次政権でサウジと経済協力拡大など良好な関係を維持したことだ。一方で悲観論は、トランプが駐イスラエル大使にマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事を指名するなど、極めてイスラエル寄りの人事を次々と発表していることによる」

トランプは第1次政権でサウジとその王室、とりわけ体調不良の国王に代わり、事実上政治を取り仕切るムハンマド・ビン・サルマン皇太子と緊密な関係を築いた。米議会の反対を押し切り、サウジへの武器売却も拡大した。

トランプ1期目とは違う状況
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