ジョーンズによれば、身分証明書を携帯していたか、以前に越境を試みてアメリカで指紋を採られていたために身元が判明するケースもある。だが遺族の多くは、愛する家族の消息をつかめないままだ。

「残念ながら制度上の問題で、昔から死者の数は実際よりも少なく見積もられ、報告漏れも多い。またバタリオンのようなボランティア団体が遺体の発見を報告しようとしても、地元当局が妨害するので問題はさらに深刻化する」

米議会の独立監査機関である政府監査院(GAO)は2022年、移民の失踪と死亡に関する税関・国境取締局(CBP)の報告業務を調査し始めた。

問題の一部は、移民たちが正式な国境検問所ではない地点で国境を越えようとすることにある。そこは砂漠のど真ん中で、日陰がほとんどない過酷な環境であることも多い。

「人里離れた場所で命を落とした移民は、統計に反映されないこともある」と、GAOのレベッカ・ギャンブラー国土安全保障・司法担当部長は語る。「そもそも発見された遺体が、移民のものかどうか判断できない場合もある。そうなると、その死が国境警備隊のデータベースに登録されない可能性はますます高まる」

CBPは17年に「消息不明の移民プログラム」をスタートさせた。荒野や砂漠で移民が通りそうな場所に看板や無線塔を設置して、命の危険にさらされている人たちが助けを求められるようにする試みだ。

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多数の移民が命を落としている
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