<パレスチナ問題では、ヨルダンにしかできない役割がある...。そのヨルダンと長年、外交関係を築いてきた日本の中東における役割について>

イスラム組織ハマスとイスラエルによる戦争は、アラブ諸国にとってパレスチナ問題解決への本気度を測るリトマス試験紙になっているだけでなく、国家の安定をも揺るがしかねない危険性をはらむ。

特に複雑な立場に置かれているのがエジプトとヨルダンだ。なかでもヨルダンは中東では政治的に最も安定した国家の1つだが、トランプ米大統領がパレスチナ自治区ガザの住民の強制移住計画をぶち上げると、国内外に不穏な空気が漂い始めた。

ヨルダンはパレスチナとの間に複雑な歴史を抱える。

1948年のイスラエル建国に伴う第1次中東戦争の結果、エルサレムとヨルダン川西岸地区はヨルダンの管轄下に置かれ、住む家を追われたパレスチナ人がヨルダンに逃れた。さらに67年の第3次中東戦争でもパレスチナ人の難民を受け入れ、現在のヨルダンの人口の約7割をパレスチナ系が占める。

エルサレム旧市街にあるイスラム教の聖地は現在、ハシム王家が治めるヨルダンが「守護者」としての地位を有しており、イスラエルに対して一定の影響力を持っている。

しかし、非産油国で湾岸諸国のような天然資源に恵まれないヨルダンが、ガザ復興において近隣の金満国家のように財政面で役割を果たすことはできない。それでも、パレスチナとの間に密接な歴史的つながりを持ち、その混乱が自国にも波及しかねないヨルダンにしかできない役割もある。

弱腰の姿勢は国民から反感
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