最近「オールドメディア」への違和感をよく聞く。しかし既存メディアはまだ利用できるはずと私は考える。現場での取材で裏付け・発信を長年組織的にやっているからだ。情報が混沌としているときこそ、「オールド」の名にかけ歴史と伝統の力を発揮すべきでは? それにしても現場の最前線で仕事をする同作のドイツ人記者とコタツ記事を量産する現代の記者、その差は途方もない。

ここまで見たら『1987、ある闘いの真実』(チャン・ジュナン監督、2017年)もおさらいしたい。

同作は光州事件からの7年間を描く。取り調べを受けていた大学生が警察の拷問によって死亡。それを隠す公権力に対して新聞記者は真相究明に奮闘し、大学生の仲間たちも立ち上がり民主化闘争へ拡大していく。

今回の韓国の戒厳令で学ぶことは為政者が暴走・錯乱したときに、政治はもちろんメディアも市民も声を上げられるかどうかという点だ。韓国のメディアや市民は反応していた。映画で見てきたとおり、民主主義を勝ち取った歴史があるからだろう。

『1987、ある闘いの真実』予告編
「酒を飲むと日本語になる」世代
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