<京都アニメーション放火殺人事件から6年。凶行直前、青葉真司死刑囚のとっての分岐点とは?プチ鹿島さんが京都新聞の取材をもとに解説します>

ニュースは好きだが、苦手だと思うものもある。凶悪事件を起こした犯人の背景を追うことだ。非道な事件を起こした犯人の頭の中、いや「論理」をなぜ、こちらが? 正直に書くとそんな思いも抱いてきた。

2019年7月18日の京都アニメーション放火殺人事件。アニメーターら従業員36人が死亡し、32人が重軽傷を負った。地元紙の京都新聞は事件後の6年間取材を重ねた。新聞の読みどころは日々のニュースだけでなく、記者たちがじっくり調べた取材を読むことにもある。組織ジャーナリズムの強みだ。

地元紙なら、事件・事故現場の理不尽に正面から向き合うことになる。同紙の京アニ事件の連載「理由」は昨年度の新聞協会賞を受賞。取材は7月、『自分は「底辺の人間」です』(講談社)という一冊の本になった。

「底辺の人間」は京都地裁の公判で青葉真司死刑囚が自らを定義した言葉だ。家庭環境に恵まれなかった幼少時代。高校卒業後に働いたコンビニで後輩はサボるばかり。不本意さを押し殺していたが「言っても分からないなら、行動で示すしかない」と、力でねじ伏せて黙らせる「底辺の論理」に染まったと法廷で述べた。

事件を防ぐ手立ては?
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