もちろん、ひったくり犯や誘拐犯も、犯行後に全速力で逃げられなくなる。
このように、ハンプも、犯罪機会論的に言えば、守るべき場所を、自動車が「入りにくい場所」にする工夫なのである。

ハンプは世界中の道路で見られる。巨石像モアイで知られるイースター島にもある。イギリスでは、「DIYストリート」という草の根プロジェクトで、住民によるハンプ設置も認められている。
しかし、日本では、2001年の道路構造令の改正によりハンプの設置が認められたにもかかわらず、普及は進んでいない。
こうした防犯対策を日本人が採用しない理由としては、3つの「M」が挙げられる。「もったいない」「むずかしい」「めんどうくさい」の3Mだ。犯罪機会論のコンセプト「防げる犯罪は確実に防ぐ」を実現できるかは、この3Mを克服できるかどうかにかかっている。なぜベストを尽くさないのか──犯罪機会論はそう問いかけている。
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