研究グループは、隕石の落下地点の土壌に含まれる核酸塩基の種類や濃度と比較検討して、検出された核酸塩基はもともと隕石に含まれていた宇宙由来のものだと結論付けています。

これらの知見から、核酸塩基類の一部は星間分子雲の中で光化学反応によって生成されて、太陽系が形成されるにつれて小惑星に取り込まれ、最終的に隕石によって地球に運ばれた可能性が強く示唆されます。地球上の初期生物の遺伝機能出現の過程を読み解く鍵になりそうです。

今回使用した最新の計測方法は、2020年に探査機「はやぶさ2」が炭素質小惑星リュウグウから地球に持ち帰ったサンプルや、2023年に地球に帰還予定の探査機「オサイリス・レックス」が持ち帰る小惑星ベヌーのサンプルにも適用する計画です。

リュウグウのサンプルは、地球大気圏に進入する際に高温にさらされる隕石よりも、地球誕生前の太陽系の物質組成を良好な状態で保っていると考えられます。研究グループが開発した高感度の分析手法で、地球生命の起源の謎の解明がさらに進歩しそうです。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます