[ロンドン 12日 ロイター] - S&Pグローバルのソブリン格付け首席グローバルアナリスト、ロベルト・シフォンアレバロ氏はロイターとのインタビューで、英首相が交代しても同国格付けに影響を与えることはないかもしれないが、欧州連合(EU)から強硬離脱した場合は影響を免れる可能性は低いとの見方を示した。
S&Pは、EU離脱を決めた2016年の英国民投票を受けて同国のソブリン格付けを「AAA」から「AA」に引き下げた。最上位のトリプルAから2段階引き下げたのは英国が初めて。見通しは国民投票以降、「ネガティブ」を維持してきた。
シフォンアレバロ氏は「首相の交代はわれわれが考慮に入れるべき重要な展開となるが、自動的に格付けについて何らかの動きにつながるとは必ずしも考えていない」と述べた。その上で「将来的な政策決定において、実際に何を意味するのかを分析する必要があるだろう」と指摘した。
英国の格付けに関して大きな懸念材料は引き続きハードブレグジット(強硬離脱)の可能性で、S&Pのエコノミストらはこのシナリオに関する一連の予測を行ってきた。
シフォンアレバロ氏は「経済に重大な打撃を与えると分析で示されており、格付けにも影響を及ぼす公算が大きい」との見方を示した。ただ、そうなった場合でも、打撃がどれだけ深刻かを見極めたいと考えるかもしれないという。
EU離脱を巡り混乱が広がる中、国民投票の再実施を求める声も出ている。再実施でEU残留派が離脱派を上回れば、離脱を撤回する可能性がある。
同氏は「ブレグジットに関する不透明感が払拭できれば(格付けには)前向きな話となるだろう」と指摘。「ただ、(前回投票での)ブレグジットへの支持の高さを踏まえると、社会の反応を見守る必要がある」とした。
「フランスと同様、国民が街頭で抗議することに意欲的という環境にあるため、政策当局者には多くの制約がある」とみている。