文章はそれよりも分量が多いし、制限がないようでいて実はよりシビアな落とし穴がいっぱい。いまニューズウィークは1200字、「note」はだいたい8000字、朝日新聞大阪版が800字。字数はラジオコメントに似て「大江千里さん、1分でお願いします」「3分でツアーの告知もご自身で」と、文であってもしゃべるように、スピードもピッチも媒体によって変わる。
で、ここに書いてきたコラムとnoteのエッセーを合体させ、KADOKAWAから『マンハッタンに陽はまた昇る――60歳から始まる青春グラフィティ』を3月31日に発売した。本がブルックリンの自宅に到着。封を切ると、自分がここ3年を生きてきた想念が浮かび上がる。
ポップのシンガーソングライターであった僕が奏でるジャズピアノと同じく、これは歌詞を書き続けている僕が奏でる文章なのだろう。書くは書くたびミステリアス。