そして、23日の欧州議会選挙である。先の下院選では離脱を実行すると約束して戦った、保守党。欧州議会選挙に向けて、マニフェストらしいマニフェストが見当たらない。離脱すると約束していたため、今更、マニフェストを作りようがないのだろうか。
あと1週間ほどで投票日なのに、政権党がマニフェストを作れていないし、目立った選挙運動もしていない──。これ自体が保守党の苦悩を示す。
さらに、メイ首相の辞任がほぼ確定したことで、「我こそは次の首相に」と考える大物政治家たちが様子をうかがっている状態だ。16日には大本命とされるジョンソン元外相が出馬の意思を示した。
メイ首相は「保守党を分裂させた首相」として名を残すかもしれない。
残留支持政党も分裂
労働党も混迷状態にある。
コービン労働党党首がメイ首相と協定案をまとめるために話し合いの機会を持つこと自体に反発がある。保守党と全く同じように、である。労働党にとって、保守党は一種の敵であり、「失敗する離脱」に労働党が加担したと思われたくない。
労働党議員の大部分が残留支持者と言われている。しかし、2016年の国民投票では離脱派が僅差で勝利したため、心の中では「離脱反対」と思いながらも、表向きは「離脱を実施」と言わざるを得ない。実際に、2017年の下院選では、保守党同様、「離脱を実現させる」ことをマニフェストに入れたのである。
労働党は「第2の国民投票」も視野に入れているが、それはあくまで「最後の手段」。国民の中には、再度の国民投票に対する反対の声が根強く存在する。
今月の地方選挙で躍進したのが、残留支持を鮮明にする、親欧州の自由民主党。2010~15年、保守党と連立政権を組んだ経験もある。
しかし、残留支持の政治勢力は分裂している。労働党が「心は残留だが、表向きは離脱」という姿勢を取るのに対し、自民党は「残留」そして「第2の国民投票」を主張する。
