・UAE、バーレーンに続き、スーダンもイスラエルと国交を正常化するとトランプ大統領は発表した

・イスラーム圏でイスラエルを承認する国が増えれば、中東和平に道筋をつけられるとトランプ大統領は強調する

・しかし、それはスーダンにとってリスクが高いもので、アメリカにつき合わされた結果といえる

スーダンがイスラエルと国交を正常化することは、中国寄りの「独裁者」の支配からようやく抜け出したスーダンが、今度はアメリカ大統領選挙のあおりを受けた結果といえる。

アメリカにつき合わされたスーダン

トランプ大統領は10月23日、スーダンがイスラエルと国交を正常化すると発言。9月のアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンに続き、スーダンがイスラエルと外交関係を樹立することで中東和平が前進すると主張し、仲介した自らの成果を誇った。

イスラエルとアラブ諸国は、パレスチナの領有をめぐって長年対立してきた。アラブ諸国の間からイスラエルと国交を樹立する国が増えることで、中東におけるイスラエルの孤立が解消されるのは間違いない。

それを仲介したことで、大統領選挙が大詰めを迎えるなか、トランプ大統領は外交面でポイントをあげたといえる。

一方、大得意のトランプ大統領とは裏腹に、スーダンは大きなリスクを背負うことになった。イスラエルに譲歩することは、イスラーム世界において「裏切り者」の誹りを受けやすいからだ。

パレスチナのアラブ系住民はイスラエルに軍事力で支配されている。この状況で、イスラエルを支援するアメリカの仲介で国交を正常化することは、イスラームの同胞、アラブの兄弟を見捨てることにもなる。

中国寄り「独裁者」の清算

それでは、なぜスーダンはトランプ大統領につき合うのか。そこには、現在のスーダンが中国寄りだった前政権の遺産を清算しなければならないことがある。

スーダンでは2019年4月、約30年にわたって権力の座にあったバシール大統領が失脚した。原油価格の下落などによる生活苦が広がり、抗議デモが活発化するなか、軍の一部が離反した結果だった。

バシール大統領の在任中、スーダンはアメリカと敵対し、「テロ支援国家」にも指定されていた。これに対して、バシールは中国に接近し、アメリカからの圧力から身を守ろうとした。その見返りに中国はスーダンの油田開発で大きなシェアを握り、同国産原油の多くが中国に向けて輸出されたのである。

中国の援助や支援が減少
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