<米中は互いに政治的・経済的・軍事的な緊張緩和を望むサインも発している。しかし、一番重要なのは、第1次大戦と第2次大戦の「直前の教訓」>

中国政府は台湾周辺と台湾海峡で事実上の軍事支配領域を徐々に拡大する戦略を一貫して追求しているように見える。

国際法上は明らかに国際領域だが、他国の航空機や船舶に中国の主権を認めるか、軍事衝突のリスクを負うかの選択を迫る姿勢を鮮明にしつつある。

特に意識しているのが、この地域の米軍だ。過去2週間、南シナ海上空で中国軍戦闘機が米軍偵察機のおよそ120メートル以内まで接近したり、アメリカとカナダが台湾海峡で「航行の自由」作戦の演習中、中国海軍の駆逐艦が米駆逐艦の船首から約140メートルを横切る危険な航行を行ったりした。

2022年8月のペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問以来、中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させていることを示す最新の事例だ。

中国の挑発的行動は、米中どちらかの小さなミスが超大国間の戦争の引き金になりかねないという懸念を呼び起こした。

中国は10年以上前から、南シナ海のほぼ全域、台湾と台湾海峡の領有権主張と、アメリカに対して東南アジアにおける「挑発的」かつ「威嚇的」な軍事プレゼンスの撤回を求める姿勢を強めてきた。

だが、この2つの出来事はアメリカや同盟国との緊張をひたすらエスカレートさせるものではなく、台湾と台湾海峡に関する自国の立場を強調する抑制的な動きと考えるべきだろう。

挑発の一方で、米中は互いに政治的・経済的・軍事的な緊張緩和を望むシグナルを発している。

スパイ気球、貿易制裁、挑発的な台湾訪問、ウクライナ・ロシア戦争に対する反米的な「和平提案」など、両国間に摩擦が存在するのは確かだ。

さらに国際秩序のあるべき姿について、両国は互いに相いれないモデルを掲げている。それでも、あるいはだからこそ、米中は緊張緩和を求めている。

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は6月2日、アメリカは「前提条件なしに中国に関与する準備ができている」と述べた。

そうやって戦争を回避しようとしていた
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