翌日、オースティン国防長官はシンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で「(中国と)話をする適切な時期は今だ」と語った。
バイデン大統領は中国との「対立ではなく競争」を求めると繰り返し、ブリンケン国務長官は近く訪中する見込みだ。
中国側のメッセージも多面的だ。秦剛(チン・カン)外相は先日、訪中したイーロン・マスクとの会談で「健全で安定した建設的な」対米関係は双方に利益をもたらすと語り、両国は「いつ『ブレーキを踏む』かを知る必要がある」と指摘。
復旦大学のある教授は「アメリカの国家安全保障を傷つけずにアメリカに輸出する方法と、アメリカが中国を尊重しながら中国市場にアクセスする方法を論じたい」と述べた。
中国共産党機関紙・人民日報は、謝鋒(シエ・フォン)新駐米大使の着任を「デタント(緊張緩和)のサイン」と評した。
中国は少なくとも東南・南アジアの覇権国を目指している。アメリカは自国の覇権とルールに基づく国際システムを維持したい。
国際秩序の修正を狙う新しい超大国と現状維持を図る既存の超大国との間に摩擦が生じることは避け難い。両国の経済・政治・軍事関係は1950年代初め以来、最も火が付きやすい状態だ。
それでも米中の指導者はここ数カ月、一定の緊張緩和を図るために対話を再構築する意思を伝えようとしてきた。2大超大国の軍事衝突は想定し得る最悪の未来だという認識が両国間でほぼ一致している証拠だ。
だが、心配なこともある。第2次大戦直前の日米の指導者も、第1次大戦直前のヨーロッパの指導者も、そうやって戦争を回避しようとしていたのだが......。
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由