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「核兵器化」が取り沙汰されるザポリッジャ原子力発電所 ALEXANDER ERMOCHENKOーREUTERS

西側の分析は非現実的?

あるロシア人研究者は私にこう語った。「ロシア人の精神を支えてきたのは、(第2次大戦でナチス・ドイツの侵攻をはね返した)『大祖国戦争』の記憶だ。英雄的な行動と犠牲心と高い能力により、多くの人命を救ったことを誇りにしていた。ところが、チェチェンやウクライナでは、戦闘に勝つことができず、町を瓦礫の山に変えただけだった。私のアイデンティティーは崩壊した」

ロシアにとって最良のシナリオは、2014年に奪った領土を拡大することだが、そのために10万人をはるかに超えるロシア兵の命が失われる公算が大きい。さらに無数の子供や母親を殺したロシアの行為に対し、欧米では民間人虐殺の悪評が定着している。シリアやチェチェンと同様に多くの犠牲を伴う勝利を収めたとしても、ロシアは経済成長や国民の繁栄のためではなく、欧米に接近したウクライナを罰するためだけに残虐行為を行ったことになる。

ほぼ欧米の手で設計され、運営されている国際社会で、プーチン政権はどうやって地位を保つのか。残り少なくなった同盟国でさえ、ウクライナ侵攻とその犠牲を積極的に支持しているわけではない。

ただし、欧米の解説や分析には問題が1つある。ロシア側の苦戦を過度に強調していることだ。あるロシアの友人は、欧米の非現実的な戦争の評価をこう嘲笑する。

確かにウクライナは屈服していないが、まだ1年しかたっていない。ウクライナの国土はイラクより40%近く大きく、後ろに控える世界最強のNATO軍はウクライナ軍の訓練に10年近く費やしてきた。まだ完全に屈服していないことがそんなに不思議か。ならばアメリカはアフガニスタンでどうなったか――。

実際、プーチンは欧米のどの指導者よりも国内での人気が高く、ロシア経済は制裁を何とか耐えてきた。また、ウクライナでの傀儡政権の樹立というロシアの至上命題が未達成でも、まだウクライナを徹底的に破壊してロシアへの脅威を除去するという2次的、3次的目標がある。

昨年、ウクライナのGDPは少なくとも30%以上減少した(ロシアは4%未満)。国外に脱出した何百万人ものウクライナ人が戻ることはなく、ロシアへの難民(強制であれ自発的であれ)は、ロシア軍の死者の10倍いる。一方、侵攻当初に国を離れたロシア人は帰国しつつある。

ロシアの管理下にある天然資源は、クリミアを併合した14年よりも増えている。たとえヘルソンやハルキウを奪えなくても、1月13日に制圧したとされるソレダルの豊富な塩は手に入るかもしれない。

時間はロシアの味方