そうしたなか、第2次トランプ政権は現在、国債を約36兆ドル(GDPの120%以上)も累積。今年満期を迎える国債の利払いや借り換えで計約10兆ドルという多額の国債発行を迫られ、不況やインフレ悪化も懸念されている。
関税政策の停止を求めてニューヨークなど国内12州が国際貿易裁判所に提訴する事態にまで発展。株価暴落を受けてトランプは中国への関税を緩めざるを得なかった。成果を示さない限り、政権への支持が落ち込むのは明白だ。
こういうとき、安倍晋三元首相なら何か助け舟を出したことだろう。日本外交に典型な、官僚的で細かいことは言わない。トランプ支持層にも響く端的で分かりやすい言葉(とはいえ、嘘や実行できないことは言わない)がいい。一方、真面目な石破茂首相はトランプと歩調を合わせるのには不向きだ。挑発的で過激な言動を繰り返すトランプを前に、日米同盟を見直すべきだという声もあるが、トランプに日本を捨てる気はない。
擦り寄る必要はないが、トランプの言い分を正面から論破したりするのも逆効果。アメリカの知人いわく、アメリカ人に対しては、分かりやすい損得勘定などに訴えかけるのが効果的だという。
安倍政権はこれを地で行っていた。いつまでも「安倍首相がいたなら」といじましいことを言っていないで、石破という手持ちのカードでどう勝負するかを考えるしかない。
鉄道黄金期を迎えたヨーロッパを旅する――コリン・ジョイス(ジャーナリスト)/豪快かつ特異なアメリカ大陸鉄道史/膨張する中国鉄路の野望/「夢の超特急」リニアの現実/韓国、アフリカ、インド……世界を駆ける鉄道新事情