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ボトックスで女性は本当に美しくなれる? 承認20年で分かった副作用と美意識の変化

Frozen by Botox: Let It Go

2022年09月07日(水)17時15分
エレノア・カミンス

生涯コストは7万2000ドルに達する

さらに、定期的な施術のコストは極めて高額だ。ボトックス注射の平均費用はおよそ400ドル。年に3回受けたら、1年当たりの費用は少なくとも1200ドルだ。25歳で始めて85歳まで続けるなら、総額は7万2000ドルに達する。

しかも大半の場合、ボトックスだけでは終わらない。最近では顔全体のバランスと自然な「微調整」が重視されるため、ボトックスでしわを伸ばしたら、唇や頬へのフィラー(注入剤)やあごの脂肪冷却治療が必要になってくる。外見がキャリアの行方を左右するセレブでもない限り、「経済的にばかげたアイデアだ」と、ウェクスラーは話す。

副作用や経済面のリスクだけではない。「魅力的」の定義は常に変化する。その本質は、富裕層の美意識を手の届かないものにしておくこと。そして、それを手に入れようと、一般消費者を終わりのない努力に駆り立てることだ。

どんなトレンドも永遠ではあり得ない。90年代にトレンドを牽引した女性たちが細眉を追求した揚げ句、専門家に頼んで眉毛を取り戻さなければならなかった事実を思い出そう。数年前には、フィラーで膨らませた顔が一部で人気だったが、その代表格のカイリー・ジェンナーも今では「自然な」顔を求めている。

ある時点で変化の止まった顔はいずれ、ものすごく変に見える顔になりかねない。

©2022 The Slate Group

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