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進化する美容整形アプリ 中国の女性たちはスマホから「顔を変える」

2020年03月24日(火)16時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

整形で特に需要が多いのはまぶたの二重手術で、「目を大きく、鼻を小さく、頬骨を高く」することが主流だ。ただ整形を希望する人の「目標」は変わりつつある。

従来は、有名なモデルやアイドルに憧れる人が多かったが、現在は「いかに自分を魅力的に見せるか」という理由がほとんど。例えば一重まぶたを単に二重に改造するのではなく、一重まぶたを美しく見せることを希望する人が増えるなど、自分の顔をベースにした整形が徐々に広がりつつある。

飽くなき追求に走る女性も

自分にふさわしい美しさを求めるため、整形を繰り返す人もいる。遼寧省の省都、瀋陽市で生まれた武小陳(Wu Xiaochen、30)さんは、10代の初めから女優かモデルになることを夢見ていたが、「今の自分では無理」と自覚。14歳で初めて太ももの脂肪吸引、16歳で隆鼻術を行ってから、これまで100回を超える整形手術を受けたという

武さんは「整形を重ねるたびに自信を増す自分に気付いた」とコメントしているが、費やした金額は実に400万元(約6,280万円)。現在は北京でモデル兼実業家として活躍しているが、「整形中毒に陥っていた」ことも認めている。

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Girl City-YouTubeより

いろんな商法も流行

GengMeiなどのアプリが整形手術の増加を後押しし、医療業界も活況に沸いている。新学期が始まる前の夏季休暇に顧客を取り込むため、わずか1,000元で二重まぶた手術を取り扱うなど、価格の値下げキャンペーンを実施する病院も出てきた。

さらに韓国、タイ、香港など国外の病院も、中国人女性の整形需要に熱い視線を送る。中国より整形技術が優秀と信じている富裕層を囲い込むため、ある香港の病院では眺望の良さと快適なスパをアピール。既に多くの患者を受け入れていると明かした。

一方で業界の成長とともに、違法業者も横行している。中国当局は2017年5月からの1年間で、2,772件の違法手術を摘発。うち1,200件以上を刑事告発したことを明らかにした。

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