最新記事
アメリカ政治

トランプ次期大統領の娘婿クシュナー氏、新政権では水面下で影響力行使か?

2025年1月17日(金)09時13分
トランプ次期米大統領の長女イバンカ氏とその夫ジャレッド・クシュナー氏

1月15日、トランプ次期米大統領の長女イバンカ氏とその夫ジャレッド・クシュナー氏は、第1次トランプ政権下でトランプ氏にほぼ制限なく接触できる立場を利用し、中東和平交渉や新型コロナウイルス向けワクチンの開発といった幅広い分野で影響力を行使していた。フロリダ州ウエストパームビーチで2024年11月撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ次期米大統領の長女イバンカ氏とその夫ジャレッド・クシュナー氏は、第1次トランプ政権下でトランプ氏にほぼ制限なく接触できる立場を利用し、中東和平交渉や新型コロナウイルス向けワクチンの開発といった幅広い分野で影響力を行使していた。

だが20日に幕を開ける第2次政権下では、イバンカ氏とクシュナー氏は公職には就かず、ワシントンから約1000マイル(1600キロメートル)離れたフロリダ州マイアミの自宅で過ごすと表明している。


 

クシュナー氏は現在、サウジアラビアやカタール、アラブ首長国連邦(UAE)からの投資を受けたプライベートエクイティ(PE)会社を経営。一方でイバンカ氏は政治から離れて3人の子育てに専念したいと話している。

だがクシュナー氏の仕事に詳しい消息筋によると、同氏は水面下で高官の人選を支援したり、一部閣僚を指導したりするなど、トランプ氏の中東戦略に助言する形で次期政権に関与している。

消息筋は、クシュナー氏は次期政権の大統領首席補佐官に指名されたスージー・ワイルズ氏に「極めて近く」、ワイルズ氏と定期的に話し合っていると指摘。クシュナー氏は、新政権の司法長官に指名されたパム・ボンディ前フロリダ州司法長官が連邦刑務所局の新たな局長を探す人選を支援するなど、新政権の一部人事に関与しているという。

さらにクシュナー氏は、新政権の中東担当特使に指名されたスティーブ・ウィットコフ氏に助言している。消息筋は、クシュナー氏は「スティーブ氏の(中東問題への)対応を加速させることと、同氏を戦略面で支援することに重点を置いてきた」と述べた。

トランプ次期政権がイスラエルとサウジアラビアの国交正常化を目指すとみられる中、中東問題への対応ではクシュナー氏が水面下で重要な役割を果たすことになりそうだ。

第1次トランプ政権下で駐スイス大使を務めたエド・マクマレン氏は「元大使として私が言えるのは、仮に私が中東で何かをすることになれば、最初に相談する相手はジャレット氏になるだろうということだ」と述べた。

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日韓などアジア歴訪 中国と「ディ

ビジネス

ムーディーズ、フランスの見通し「ネガティブ」に修正

ワールド

米国、コロンビア大統領に制裁 麻薬対策せずと非難

ワールド

再送-タイのシリキット王太后が93歳で死去、王室に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...装いの「ある点」めぐってネット騒然
  • 2
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 3
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月29日、ハーバード大教授「休暇はXデーの前に」
  • 4
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 5
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 6
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 7
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中