最新記事
米大統領選

バイデン大統領が今度は「身内」と「宿敵」の名前を混同...再選意欲に変化なし

2024年7月12日(金)15時11分
バイデン大統領

米大統領選撤退を求める声が与党・民主党内から出ているバイデン大統領は11日、ハリス副大統領と共和党のライバルであるトランプ前大統領の名前を混同したものの、再選に向けて突き進むと表明した。ワシントンで開いた記者会見で撮影(2024年 ロイター/Yves Herman)

米大統領選撤退を求める声が与党・民主党内から出ているバイデン大統領は11日、ハリス副大統領と共和党のライバルであるトランプ前大統領の名前を混同したものの、再選に向けて突き進むと表明した。

高齢であることが懸念されているバイデン氏(81)は、トランプ氏を破り、米国をさらに4年率いるのは自分しかいないと主張し、数十年にわたる世界舞台での経験を強調。「年齢がもたらす唯一のことは、注意を払えばちょっとした知恵が生まれることだ」と語った。


 

ハリス氏とトランプ氏の名前を混同したのは1時間近くに及んだ記者会見の冒頭だった。

ロイターがハリス氏への信頼について質問したところ、バイデン氏は「彼女に大統領になる能力がなければ、トランプ副大統領を副大統領には選ばなかっただろう」と答えた。

冒頭ではこのほか、頻繁にせき込み、返答が時折不明瞭だった。終了時にかけては返答が本筋からそれる場面もたびたび見られた。その一方でイスラエル・ガザ紛争や、ロシアや中国に対抗するために西側諸国がより多くの軍事兵器を生産する必要性などについては詳細に答えた。

この数時間前には北大西洋条約機構(NATO)首脳会議関連会合でもウクライナのゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」と言い間違えたばかりだった。

下院の民主党議員213人のうち少なくとも16人、上院の民主党議員51人のうち1人はバイデン氏に大統領選からの撤退を公に訴えている。

ジム・ハイムズ下院議員(コネチカット州)も記者会見が終わった直後にそのグループに加わった。

「トランプがもたらす脅威に立ち向かうため、可能な限り最強の候補者を擁立しなければならない。私にはそれがジョー・バイデンであるとはもはや思えない」と語った。

バイデン氏は会見で、健康状態は良好だとし、医師から勧められれば神経学的検査を再度受けるつもりだと述べた。

全米自動車労組も動揺

バイデン氏はNATO首脳会議の閉幕に合わせて記者会見し、米国は「世界から退くことはできない」と述べ、自身の指揮下で米国がウクライナ支援から立ち去ることはないと強調。強力なNATOは米国の安全保障にとって不可欠だと述べた。

トランプ氏について、NATOを弱体化させ、輸入品に高関税を課すことで米消費者物価を上昇させるとも主張した。

また、パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争は直ちに終結しなければならないとし、自身の停戦の枠組みに双方が合意していると述べた。

これとは別にバイデン氏支持を表明している全米自動車労働組合(UAW)のショーン・フェイン会長が11日夜、トランプ氏に勝てるかどうか疑念を深め、執行部と突っ込んだ協議を行ったことが関係者3人の話で分かった。




[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 脳寿命を延ばす20の習慣
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月28日号(10月21日発売)は「脳寿命を延ばす20の習慣」特集。高齢者医療専門家・和田秀樹医師が説く、脳の健康を保ち認知症を予防する日々の行動と心がけ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがウクライナに大規模攻撃、エネ施設標的 広範

ビジネス

米との通貨スワップ、アルゼンチンの格下げ回避に寄与

ワールド

イスラエル議会、ヨルダン川西岸併合に向けた法案を承

ワールド

米航空管制官約6万人の無給勤務続く、長引く政府閉鎖
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 6
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    やっぱり王様になりたい!ホワイトハウスの一部を破…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 9
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中