最新記事

政治参加

<動画>「勇気ある行動」──ホワイトハウス報道官のスピーチを遮って政権を批判したのに、活動家が褒められた理由

Video of activist confronting Biden admin viewed over 4 million times

2023年8月1日(火)19時33分
キャサリン・ファン

ホワイトハウスの記者会見でお馴染みのジャンピエール報道官(7月27日) REUTERS/Jonathan Ernst

<政府高官のスピーチを途中で遮ったりすれば普通は追い払われるのがオチだが、この場合はテーマが温暖化対策だった上、声を上げた「活動家」が緊張しまくりで声も震えていたのが400万回という高視聴に影響したかも?>

若い環境活動家がホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官の話を遮って政権に意見する動画がツイッター上で大きな注目を集め、これまでに400万回以上視聴されている。

<動画>熱波のバンクーバー、浜辺でムール貝が焼き上がる

7月27 日、Z世代を中心とする政治団体「明日を担う有権者(Voters of Tomorrow)」の会合で、環境活動家のエリス・ジョシ(21)がジャンピエールのスピーチを途中で遮り、ジョー・バイデン米政権の気候対策に異議を唱えた。ジョシは、Z世代の政治参加を推進する組織「Gen Z for Change(変化のためのZ世代)」の事務局長だ。

「お話の途中ですみません。でも丁寧に頼んでも駄目だったので......。若者100万人がアラスカでの石油掘削プロジェクトに反対する書簡をがバイデン政権に送ったのですが、無視されました」とジョシは述べた。「だから今ここで言わせてください。バイデン政権は石油・天然ガス開発に関する新たなプロジェクトの承認をやめて、若者や科学者やアラスカ北部からルイジアナの地元コミュニティーと連携するつもりはあるのでしょうか」

ジョシの発言中、会合の主催者が彼女に近づいて席につくよう求めたが、話を聞いていた若者たちは発言への支持を表明して音を鳴らした。

ホワイトハウス「大統領は若者のために闘っている」

ジャンピエールはジョシの発言を受けて、堂々と声を上げた彼女の勇気を称え、気候変動問題をめぐるバイデンの取り組みを振り返った上で、さらなる取り組みが必要だと述べた。

「今回のイベント以外の場所で、是非あなたとこの問題について話したいと思います。バイデン大統領がこれまでに行ってきたことや今後も継続して行っていきたいことを徹底的に話し合い、あなたの意見を聞きたいです」とジャンピエールは言った。

このやり取りについてホワイトハウスの当局者は本誌に、「バイデン大統領は気候変動や銃の安全性、学生ローンの減免などのあらゆる問題について、アメリカの若者たちのために闘っている」とコメントした。

この当局者は、ネバダ州のスピリットマウンテンや北極海の環境を保護する政権の取り組みや、CO2排出削減のための「パリ協定」へのアメリカの正式復帰などを成果として強調した。「バイデン大統領は差し迫った対応を必要とするこの危機への取り組みを続け、共和党議員らが我々の取り組みを後退させるのを阻止し続ける」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ総司令官、東部前線「状況悪化」 ロ軍攻勢

ビジネス

米GM、コロンビアとエクアドルで工場閉鎖 次世代車

ビジネス

ドル円が急上昇、一時160円台 34年ぶり高値更新

ワールド

米国務長官、29日からサウジ・イスラエルなど訪問 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中