最新記事

米中間選挙

米中間選挙:民主党「予想以上の善戦」で議席減は限定的か 下院は依然共和党優勢

2022年11月9日(水)19時45分
米中間選挙

11月8日に投開票された米中間選挙は、9日未明の時点で接戦州の多くで勝者が確定しておらず、共和党が民主党から議会の主導権を奪えるか依然として不透明となっている。写真はジョージア州マリエッタで8日撮影(2022年 ロイター/Cheney Orr)

8日に投開票された米中間選挙は、9日未明の時点で接戦州の多くで勝者が確定しておらず、共和党が民主党から議会の主導権を奪えるか依然として不透明となっている。

上院は35議席、下院は全435議席が改選される。36州では知事選も行われた。

下院では共和党がなお過半数議席を獲得する可能性が高いとみられている。エジソン・リサーチによると、共和党が民主党から6議席を奪い過半数を1議席上回る見込み。これまでのところ共和党が198議席、民主党は173議席を獲得したとみられている。

しかしロイターが主要な独立系調査会社の予想を分析したところ、53の最激戦区のうち13議席しか勝者が確定しておらず、最終結果はしばらく判明しない見込みだ。

共和党が議会で主導権を握れば、ウクライナへの援助を阻止することができるが、軍事・経済援助を遅らせたり縮小したりする可能性の方が高いとアナリストはみている。

エクイティ・キャピタルのマクロエコノミスト、スチュアート・コール氏は、共和党が下院で多数派となれば、増税を阻止し政府支出を制限する公算が大きいとし、インフレ抑制のための利上げは限定的となるかもしれないと述べた。

中間選挙では与党が議席を減らすケースがほとんどで、バイデン政権の支持率は1年以上低迷している。しかし民主党がいくつかの重要な選挙区で予想外の強さを見せ、共和党が圧倒する「赤い波」への期待は薄れている。接戦の末に決した13議席のうち11議席を民主党が押さえた。

民主党のペロシ下院議長は声明で「下院の民主党議員と候補者が全米で予想以上に善戦しているのは明白だ」と指摘した。

人口妊娠中絶の権利を覆した6月の最高裁判決に対する有権者の反発が民主党の議席減少を抑制したとみられる。

一方、共和党の強さは、最近行われた選挙区割りの変更で20年にバイデン氏が勝利したであろういくつかの下院の激戦区に見られ、例えばバージニア州第2選挙区では民主党の現職が共和党候補に敗れた。

上院選、民主が激戦州ペンシルベニア制する

現在のところ獲得議席は民主が48、共和が47。

上院選では民主党トップのチャック・シューマー院内総務や共和党指導部のジョン・スーン議員が再選を決めた。自伝「ヒルビリー・エレジー」で知られる作家のJ・D・バンス氏(共和党)はオハイオ州で勝利した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米8月の求人件数は小幅増、採用減が労働市場の減速を

ワールド

トランプ氏「おそらく政府閉鎖になる」、民主党に「不

ビジネス

米CB消費者信頼感、9月は予想下回る 雇用機会巡る

ワールド

米国防長官、緊急会議で軍幹部の肥満など批判 トラン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけではない...領空侵犯した意外な国とその目的は?
  • 3
    【クイズ】身長272cm...人類史上、最も身長の高かった男性は「どこの国」出身?
  • 4
    10代女子を襲う「トンデモ性知識」の波...15歳を装っ…
  • 5
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 6
    カーク暗殺の直後から「極左」批判...トランプ政権が…
  • 7
    通勤費が高すぎて...「棺桶のような場所」で寝泊まり…
  • 8
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 9
    博物館や美術館をうまく楽しめない人は...国立民族学…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 3
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒りの動画」投稿も...「わがまま」と批判の声
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 6
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中