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ウクライナ情勢ロシア軍、ウクライナ東部で大規模攻撃開始 リビウでも民間人死亡

ウクライナは、ロシア軍が東部で新たな攻撃を開始したと明らかにした。一方、西部リビウでは、ロシアのミサイル攻撃で7人が死亡した。同市で民間人の死者が出るのは初めて。写真は同日、リビウで撮影(2022年 ロイター/Roman Baluk)
ウクライナは18日、ロシア軍が東部で新たな攻撃を開始したと明らかにした。一方、西部リビウでは、ロシアのミサイル攻撃で7人が死亡した。同市で民間人の死者が出るのは初めて。
ウクライナ当局者によると、東部ドネツクでは砲撃によって4人が死亡、ハリコフでは住宅街の公園への砲撃で2人が死亡した。
ゼレンスキー大統領はビデオ演説で「ロシア軍が長い間準備してきたドンバスの戦いを開始した」と述べ、「ロシア軍全体の非常に大きな部分がこの攻撃に集中している」との見方を示した。
これより先、国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は「ドネツク、ルガンスク、ハリコフ地域のほぼ全ての前線で、ロシア軍が今朝、ウクライナ軍の防衛線を突破しようとした」と述べた。
ゼレンスキー大統領の側近、アンドリー・イェルマク氏は「戦争の第2段階が始まった」とした上で、「ウクライナ軍を信じてほしい。ウクライナ軍は強靭だ」と訴えた。
リビウの州知事は、使用されていない軍の倉庫や自動車整備工場に計4発のミサイル攻撃があったとし、整備工場は完全に民間の施設だと指摘した。
マリウポリで製鉄所へ爆撃
ロシア国防省は、ウクライナの軍関連施設に対し夜間に大規模な攻撃を行ったと発表。東部から南部にかけてのハリコフ、ドネツク、ドニプロペトロフスク地域と港湾都市ミコライウで軍事施設16カ所を空中発射型ミサイルによって破壊したと明らかにした。
また、ウクライナの部隊が集中している108地区をロシア空軍が攻撃し、315の軍事標的を砲撃したとしている。
ロシア軍が完全制圧を目指す南東部マリウポリの市当局は、同市で抗戦を続けるウクライナ部隊の拠点となっている製鉄所について、1000人以上の民間人が地下のシェルターに避難していると明らかにした。製鉄所にはロシア軍による激しい爆撃が行われているという。
国連は、ロシアの侵攻以降、17日深夜時点で民間人の死者が2072人に達したと発表した。
米がりゅう弾砲訓練提供へ
米国防総省当局者は18日、米軍がウクライナ軍に対し、りゅう弾砲の使用訓練を向こう数日中に開始するとの見通しを示した。訓練はウクライナ国外で行われる。
米政府は先週、ウクライナに対する8億ドル規模の追加軍事支援を発表。ウクライナ東部でのロシアの大規模攻撃に備え、重砲にも支援を拡大していた。
フランスのマクロン大統領は18日、ウクライナで民間人が多数殺害されているのが見つかってから、ロシアのプーチン大統領との対話が途絶えていると明らかにした。

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