最新記事

軍事

世界の軍事費、昨年初めて2兆ドル突破 ロシアと欧州も拡大

2022年4月26日(火)09時57分
戦車

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が発表したデータによると、2021年の世界の軍事費は2兆1130億ドルと、初めて2兆ドルを突破した。写真はノルウェーでの北大西洋条約機構(NATO)、フィンランド、スウェーデンの軍事演習。3月撮影(2022年 ロイター/Yves Herman)

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が25日発表したデータによると、2021年の世界の軍事費は2兆1130億ドル(約271兆6472億円)と、初めて2兆ドルを突破した。ウクライナ侵攻前のロシアと欧州も拡大していた。

軍事費増の最大の影響は数年後に表れるとみられる。

ロシアはウクライナ国境沿いの戦力を増強したため、軍事支出を2.9%増やし、659億ドルとした。3年連続の増加となり、GDP(国内総生産)の4.1%に達した。

SIPRIは「石油とガスの高収入が軍事費増に貢献した」と指摘。「ロシアの軍事費は、エネルギー価格の低下と14年のクリミア併合に伴う制裁が重なった結果、16年から19年にかけて減少していた」という。

ロシアは軍事支出規模で米国、中国、インド、英国に次ぐ5位を維持した。

SIPRIによると、ウクライナの21年の軍事費は59億ドルで、ロシアの10分の1以下となった。

欧州の軍事費総額は4180億ドルで、ロシアによるクリミア併合以降、急激に増加。20年から3.0%増加し、12年比では19%増だという。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

世界の軍事費の推移

世界の軍事費の推移(出典=ストックホルム国際平和研究所)

世界各国の軍事費シェア

世界各国の軍事費シェア(出典=ストックホルム国際平和研究所)

【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中